お腹空いた・・腹減りごーやたんのグルメ農場

お料理ブログにするつもりですが食べて美味しかったもののレビューもします。

アーサー汁と母との思い出

今日はアーサー汁を作った。

アーサ汁ともいう。アオサという海藻を入れた澄まし汁のことで、沖縄料理の中ではかなりあっさりとした味付けの部類。

かつお出汁を効かせて、シンプルな味付けでおろしショウガを入れて食べるとおいしい。

 

ちょっと長い思い出話も後にあるので、気が向いたら読んでみてね。

目次で必要なところだけを読んでもよし。


材料

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  • 豆腐 1パック
  • アーサー 12g
  • かつお出汁 1リットル
  • 塩、醤油 適量
  • おろしショウガ 適量

絹ごし豆腐を使ったけど、木綿でもおいしいよ。

アーサーは思わず1袋全部使っちゃったけど、もうちょっと少なくてもいいと思う。

できればしょうゆは薄口を使った方がいいかな。


作り方


1.アーサーを水につけてもどす。

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ゴミが混ざっていることもあるので、何度か水を替えてね。


2.豆腐をさいの目状に切る

無理せずまな板の上で切ればいい。

絹ごし豆腐の感触が好きなのでちょっと大きめだけど、木綿豆腐を使うときは小さめがいいかも。

豆腐を小さくカットすると、具も汁も一緒に飲むことができるよ。


3.かつお出汁を取る

少し濃い目に。かつお出汁だけでOK。


4.水気を絞ったアーサーと豆腐を入れて味付け

塩、ほんの少しのしょうゆで味付け。

アーサーの風味を楽しむものなので、あまり味付けを濃くしない方がいい。


5.味見して完成

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香りが悪くなるのでグラグラと煮立てないこと。

 

思い出話


実はこのアーサー汁、母との思い出の一品で、私が料理好きになったきっかけの品でもある。

うちの母は昔、食堂と弁当屋を経営していた。

料理に対する好奇心はとても強く、琉球料理だけではなく和食も洋食も色々と作ってくれた。

おかげさまで小さい頃からおいしいものを食べさせてもらっていた。


でも飲食店は朝から夜まで忙しくて、あまり触れあう時間がない。

料理を教えてもらったこともなかったし、授業参観も来ない。

それに私は末っ子で店の手伝いもほとんどすることは無く、お客さんがいない時にはずっと座敷席でマンガを読んでいた。

でも厨房でうろちょろしてつまみ食いしてたし、料理の本ばかり見てたからなんとなく頭の中では料理の仕方を分かっていたつもり。

私が高校に入る頃には母は自分の店を畳み、料亭で働くことになる。

ある時、母から夕食の準備をお願いされた。


「アーサー汁の材料があるから、作っててね。」と。


え?作ったことないのにどうすればいいの?と私は困ってしまった。

私「どうやって味付けすればいいの?」
母「かつお出汁を取って、適当に味を付ければいいよ」
私「…」

これ以上教えてくれない!

今まで食べてきてるから分かるだろ!と突き放されてしまったのだ。

頼まれたからには作らないといけない。

頭の中であれこれ考えて、塩を入れて味見、醤油を入れて味見、みりんやら料理酒やら色んなものを入れてしまった。

でも最終的にはなんとか形になった。

最初に父に出したら美味しい!って褒めてくれた。

すごいね~、さすがお母さんの子だね~、と。

父は大抵のことは褒めてくれる。

 

料亭のパートから帰ってきた母も私の作ったアーサー汁を食べたけど決して褒めない。

でもダメだしはしなかったのでちゃんと食べれるものだってことは認めてくれたみたい。

それからというものの、汁はグラグラ煮立ててはいけないとか、味付けはシンプルに塩とほんの少しのしょうゆでいいという知識を身につけた。

料理を始めたばかりの頃は味付けが不安であれこれ加え過ぎていたけど、慣れてきたらシンプルな味付けで作れるようになった。

シンプルな料理ほどごまかせないから怖いし、難しい。

 

母は歳をとって手先もあまり動かせず、昔のように上手に料理はできなくなった。

それでもアイデアが次から次へと湧いてきて止まらないのだそうだ。

もこみちとかイケメン料理男子の番組をよく観ててダメだししたり、実践したりする。

正月にはアボカドを和えたものが出てきたよ。

 

今でも母はなかなか褒めてくれないけど、唯一褒めてくれたのはちんすこう!

 

go-yatan.hatenablog.com

 

これから母の湧き出るアイデアを私が形にしていければいいな~と思っている。

おしまい。